中小業企業の経営者は異端児でいろ! 宮崎本店に学ぶ中小企業のマーケティングとは
キンミヤの焼酎で有名な宮崎本店 代表取締役会長 宮崎由至さん(以下、宮崎会長)のお話を聞いてまいりました。(2019年4月15日)
開口一番「中小業企業の経営者は異端児でいろ!」という言葉
規模や資金力では大手にかなわないからこそ…そんな思いが伝わりました。
日本の表向きは大企業に寄り添う空気を感じられます。
しかし数値でみると約97%(約380万社)が中小企業
創業100年を超える企業は3万社以上あり、その9割が中小企業という国です。
宮崎会長のお話は中小企業経営者としてはこころに突き刺さるものが多数ありました。
ここでは、経営者としての思いと独自のマーケティングについて差し支えない範囲でお伝えいたします。
三重県中小企業家同友会所属の宮崎本店と未来工業
宮崎会長(173年の老舗 6代目社長)は 三重で中小企業同友会を立ち上げた方、
同友会の立ち上げに際し、近隣の愛知同友会・岐阜同友会から学ぶ、
特に岐阜同友会の未来工業の先代経営者 山田さんは恩師にあたるそうです。
山田さんはとても厳しい方で「良い経営者などと言われるな、とんでもない経営者が来たと言われろ!」と言われたそうです。
これが 異端児 となる発端です。
未来工業という会社さんはとんでもない中小企業です。
詳細は省略しますが、私も2017年に未来工業さんへ学びに伺っています。
「小さな」Family Businessのよさ
宮崎会長は学びを色んなところで吸収します。
アメリカでの学び、海外でとある方に「Family Business」と言われショックをうけたそうです。
日本でのFamily Businessは同族企業であまりよいイメージがないとも言われています。
しかし発した方の意味はこのようなことでした
「小さな」Family Businessは……
- 大手上場会社は株主の顔色を見るが、小さなFamily Businessは社員さんの顔を見ればいい、だからいい会社になるよう努力する
- 小さなFamily Businessは大企業と異なり素早い決断ができる
- 小さなFamily Businessは理念の継承ができる
経営指針は戦略である!
同友会の方がこの言葉を聞いたら、驚きます。
しかしよくよく聴くと、うなずける内容でした。
要約すると
良い会社にするために戦略を明確化したのが経営指針である
ただし経営指針だけ戦略だけではなにもならない
そこで必要なのが戦術
戦術すなわち実践
私も神奈川同友会で耳が痛くなるほど日々学びとして助言いただいていることが
実践です。
- 経営指針は作って終わりではありません
- 経営指針は神棚に飾るものでもありません
実践することで、社内外に浸透し良い会社となり社会に広がる。
私たち経営者は、日々今あることに向き合い実践する必要がある。
(私もまだまだですので…)
キンミヤの経営理念の浸透方法は...
キンミヤのボトルラベル、右端をよくみてください。
経営理念が書かれています
当社は酒類の製造販売を通じて、社会に貢献できる企業を目指します
宮崎本店はマーケティング会社
自社の強みは自社ではわからない
コンサルなどにビジネスフレームワークやらマーケティングフレームワークをお願いすると(3C、SWOTなど)なんとなーーーーーく分析された「作品」ができます。
これは完成ではなく、フレームワークを軸として社内外で議論するたたき台なのですが…なかなかそこが伝わりません 笑(Webコンサルを生業としている持論)
本当の自社の強みは誰が知っているのか、それは競合です。
儲かっている競合は常に、競合分析をしています。だから強いのです。
それでは私たちはどうしたらいいのか…
同友会活動をして、あらゆる競合に本音で聞いてみるんです。
「うちの強みなに?」って
※ハマ企画の場合は、同友会のツール企業変革支援プログラムで分析をして神奈川同友会の仲間(経営戦略部会)でもんでもらいます。
宮崎本店さん、競合から言われた強みは「マーケティングの強い会社」だそうです。
宮崎本店のブランディングはラグジュアリー
ブランディングとは
ブランドに対する共感や信頼などを通じて顧客にとっての価値を高めていく、企業と組織のマーケティング戦略の1つ。
宮崎会長のことば
ブランディングは3種類ある
- ナショナル(国民的)
- プレミアム(何かと比較するもの)
- ラグジュアリー(贅沢品)
キンミヤは庶民の甲種焼酎ですが、ラグジュアリーだそうです。
他社と何が違うのか、詳細は商品戦略になってしまうので割愛します。
中小企業のマーケティングは狭く、深く、高く、熱く
宮崎会長の言葉です。
資金力や組織力のある大企業は大きなマーケティングが可能です。
限られた資源の中でマーケティングを行う中小企業は
- 狭く:地域、業界、商品、サービスなど
- 深く:マニアックにですね
- 高く:価格?価値?いろいろです
そしてポイントは 熱く
この「熱く」は自らではなくお客さまが熱く語るブランドであれ だそうです。
宮崎本店は関東大震災の時、三代目が三重県から船をだし、関東の酒屋さんに商品を提供したそうです。その時は見返りを求めず、お金も求めず。
中小企業ができる支援というのは、その会社の良さ(強み)を使うことです。
この会話で思い出したのが「恩送り」
恩は返すものではなく送るもの、恩が送られたことで、東京を中心にキンミヤを愛されのまれるようになったのですね。(この言葉は神奈川同友会 県央支部 小杉社長 うすいファームさんから学んだものです)
まとめ:中小業企業の経営者は異端児でいろ!
宮崎会長の言葉はこころに刺さる内容でした。
そして私たち中小企業の経営者(中小企業家)は異端児でい続けるために、考えて実践を繰り替えす休みのない活動が大切だと感じました。
最後にいただいた言葉「今日の異端児は明日の真ん中だから 異端児であり続けろ」です
経営に終わりはありません。
満足で止まるわけにもいきません